アラフィフにしてボカロを聴き始めた話

この曲を聴いてみてください。ステキだ。惚れ惚れ。

これまで初音ミクやボーカロイドはIT系ニュースとしては見ていたものの、実際に曲を聴いてみようと思ったことがありませんでした。なんでだろう? と改めて考えるに、特に深い理由があったわけではなく、単にそこまで関心を持つことがなかっただけだと思います。

初音ミクが発売されたのが2007年。当時の私は1歳になった子供のオムツ替えに追われ、音楽では同年にドラマとアニメにもなった漫画「のだめカンタービレ」の影響で、クラシックに入れ込んでいました。アニメやNHKの子供番組の歌もいくらか覚えましたね。

しかし、こんなステキコンテンツにもなかなか気付けないものなんだなあ…と改めて思いました。

関心がしぼむと死ぬ話

少し前にTwitterで「育児してると個性が死にがち」というツイートが話題になっていて、ああ、こういうの育児に限らずあるあるだなあと思ったんですが、

「やらねばならないこと」(育児なり仕事なり)に時間も意識も占領され尽くしてしまうと、あるときふと気づいたら何事にも関心が持てなくなっていて、生きている意味がよくわかんなくなっちゃうことがあるんですよね。「個性が死にがち」というのは、面白い表現だなと思いました。

こうなってしまうと他のことに本当に関心が持てなくなってしまうので危険です。意識的に必要ないこと、変わったことをしていくことがだいじ! 歳とると新しいものに興味が向かなくなりがちと聞きますが、その傾向を防ぐためにも大事かもしれません。

セレンディピティとエコーチェンバーの話

ところで、自分が現役でゲームやっていたころにはまったく接点がなかったポケモン(Nintendo 3DSの)を、子供と一緒に遊び始めたのをきっかけに、ここ数年けっこうやり込んでいました。

関連してYouTubeで対戦実況動画を見たりするんですが、上記の「福寿草」を知ったのも、とある実況動画がきっかけでした。勝手にお名前を出すのもあれかもしれないので伏せますが、「ずっと真夜中でいいのに。」というユニットの新曲がいいから聴いてみて、という話があって、その不思議な名前が気になってメモっていました。

この動画を最初に見たときは正直ピンと来なかったんですけど、何度となくYouTubeのホーム画面で「あなたへのおすすめ」として挙がってくるので繰り返し見ていたらだんだん見慣れていい感じになってきました。

そうすると、おすすめ枠に音楽系動画が増えてきて、「福寿草」という曲を最初に知ったのは初音ミクではなく、「まじ娘×愛島」さんの「歌ってみた」動画でした。こちらとてもいい。

そこから作曲者の「ぐにょ」さんで検索して、初音ミクの動画に辿り着きました。

レコメンドって面白くて、また同時に怖いなあと思います。知らないものをこうやって紹介してくれるのは、とても面白い。

ポケモンの対戦実況動画も、誰かの動画を見始めると、共通するファンを持つ(と思われる。または交流がある? いずれにせよ共通するクラスターとして扱われているらしい)複数人の動画がおすすめによく出るようになります。でも、同じポケモン対戦実況者でもクラスターが違うと滅多に出てこないようです。

音楽系の動画も、「ずっと真夜中でいいのに。」と同じクラスターのチャンネルがいくつかあるようで、それらの動画は頻繁におすすめされますが、それ以外にもたくさん存在するのだろう歌い手やらボカロPの動画は、あまり見つけられていない気がします。そして、そのクラスターの飛び越え方がイマイチよくわかりません。

インターネットやSNSはセレンディピティ(偶然のナイスな出会い)をもたらしてくれる、と言う人もいれば、自分と同じ意見ばかりを引き寄せるエコーチェンバー(反響室)であると指摘する人もいます。

最初に紹介した初音ミク「福寿草」に至る発見はセレンディピティと言っていいと思いますが、YouTubeのレコメンドの動きはエコーチェンバー的に見え、サービスの中の人の匙加減でわれわれの情報体験は大きく変えられるんだなと実感した体験でもありました。

そもそもコンテンツの量が多すぎる現代に、気付けない、発見できないことはある程度仕方がないのでしょう。死ぬまでに発見できればいいんだけど、本人側にも流通システムの側にも、ボーッとしていると意外なほど「いつものヤツ」の壁を越えられない構造になっているのかも? という点が気になっています。